五月のバラ / フランツ・フリーデル [歌謡曲]
「五月のバラ」を取り上げるのは、ブレンダ・リー、塚田三喜夫につづいて3回目になります。
このフランツ・フリーデル、60年代前半、ちょっと舌足らずな歌い方で人気があった歌手で、「デンワでキッス」などのカヴァー・ヒットがあります。
44年西ドイツ・ハンブルグ生まれのハーフ(?)で、当時女の子の人気はすさまじかったらしいですね。
じつは、このフランツ・フリーデルが「五月のバラ」を最初に歌ったシンガーらしいのです。
まえに、アメリカのブレンダ・リーがオリジナルということをどこかで読み、そのことをこのブログでも紹介したのですが、どうやら違っていたみたいです。
これはこのブログにもよく書き込んでいただいているMOMOさんから、教えていただきました。
・・・で、いろいろ調べてみました。
いくつかのブログで、このフランツ・フリーデルの「五月のバラ」がオリジナルであることの記述がありました。
ディスコグラフィーをさがしてみたところ、61年の「愛の子守歌」から、65年の「青春に恋しよう」までと、66年のブルー・コメッツとの「ドゥー・ユー・ノウ」までは分かりましたが、そのあとが確認できませんでした。
この61年から66年までのなかには「五月のバラ」はありません。
一方、ブレンダ・リーのほうはどうやら72年の来日時に録音したものらしいということが分かりました。
オリジナルがフランツ・フリーデルなら、この66年から72年までのあいだに録音されたのでしょう。
ところで、この歌は、歌詞の内容が男の立場で書かれています。
♪ 五月、このぼくが・・・
もしブレンダ・リーのために書くのなら、そんな必然性はないはず。
そういったことからも、フランツ・フリーデル説は頷けます。
その後、尾崎紀世彦が歌い(73年?)
さらに先日紹介した塚田三喜夫が77年、というふうに続くようです。
ところで、このフランツ・フリーデル、残念なことに2006年6月8日に亡くなっています。
「五月のバラ」のオリジナルが彼であるということを紹介されていたブログのひとつにも書かれていました。
なお、この曲はその後再録音されているようですが、もう入手不可能かもしれません。
そのCDに関しては、このサイトでジャケットなどが見られます。
POP CD
ちなみにタイトルですが、JASRACによると、「五月のバラ」が正式タイトル(?)で、「思い出のバラ」は副題のようです。
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