いまでこそロックンロールの元祖みたいな存在として、多くのファンがいるチャック・ベリーですが、現役として活躍していた時代には、日本ではたぶん誰も知らなかったのではないでしょうか?
 50年代の真ん中あたり、ロックンロールといえば、白人ではもちろんエルビスですが、みずからそういった「新しい音楽」を作り出していたのは、黒人のこのチャック・ベリーや、リトル・リチャードなどでした。
  彼らは、それまでのリズム&ブルースとは、ちょっと違ったサウンドを作り出していました。
 でも、この当時まだまだ音楽における人種の違いは大きく、エルビスは大ヒットしましたが、このチャック・ベリーなどは、オリジナルであるのにもかかわらず、それほどの大ヒットということにはなりませんでした。
 日本では、おそらくその存在すら知られていなかったはずです。

60年代に入ると、すでにに「終わりかけていた」そのチャック・ベリーが、にわかに注目を集めました。
 あのビートルズが、このチャック・ベリーやリトル・リチャードの曲をカバーしていたんですね。
  
   The Official Site of Chuck Berry

 ビートルズが歌う「ロール・オーバー・ベートーベン」や「ロックンロール・ミュージック」といったチャック・ベリーのナンバーは、初めて聞いたとき、とても新鮮な感じがしました。
 さらに、ビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」が、チャック・ベリーの「スイート・リトル・シックスティーン」の歌詞を替えただけだったということを知り、チャック・ベリーって誰なんだ、というわけで時代を逆戻りして、さらに古い音楽まで聴くようになったのです。
 
 さて、そんなチャック・ベリーの3連のバラードです。
いわゆる「ブルース」で、あまり好きではないのですが・・・。

 The Things I Used to do

 じつは、この曲は最近まで知りませんでした。
持っているアルバムには入っていなかったからです。
 
 1981年だったでしょうか、東京・渋谷公会堂で、このチャック・ベリーのコンサートを観ました。
当時すでに60代くらいだったんじゃないでしょうか。
 でも、あの有名な「ダック・ウォーク」までやってくれました。
さらに驚いたのは、バックにあの成毛 滋さんが参加していたのです。
 しかもギターではなく、ピアノ!です。
この日本公演には、いろいろと裏話があるようなんですが、詳しくはわかりません。
 でも、当時まさかチャック・ベリーの歌が見られるなんて想像もできませんでしたから、ステージに出てきた姿を見たときは、本当に感激しました。